【ジャガー Fタイプ ZPエディション 新型試乗】最後のV8、まさに「ラスト・サムライ」…中村孝仁

【ジャガー Fタイプ ZPエディション 新型試乗】最後のV8、まさに「ラスト・サムライ」…中村孝仁

【ジャガー Fタイプ ZPエディション 新型試乗】最後のV8、まさに「ラスト・サムライ」…中村孝仁 2025年から完全な電気自動車メーカーになると宣言しているジャガー。ブランド唯一のBEVは、今のところ2018年に発表された『I-PACE』のみである。 2025年まではあと半年足らず。果たして本当に完全電気自動車メーカーになれるのか少し心配なところはあるが、それでもICE車の生産終了は着々と進み、最後のICEスポーツカーである『Fタイプ』もファイナルモデルとして「ZPエディション」がリリースされた。まさにラスト・サムライの様相である。 そのZPエディション、実は『Eタイプ』に由来するモデルである。50年代のレース活動絶頂期の後、ジャガーではロードカーとしての使命を強く打ち出したEタイプを『XK150』の後継車としてリリースした。レーシングレジェンドの『Cタイプ』や『Dタイプ』と違い、XK150は純粋なロードカーである。そして名前だけDの次、即ちEを名乗るも北米市場ではXK-Eであったところにジャガーの悩みどころというか落としどころがあったようにも感じる。 果たして1961年のジュネーブショーが終わるころには250台の生産に対して500台のオーダーが入っていたというEタイプ。そして更なる宣伝効果を期待して、本来は想定していなかったはずのEタイプでのレース活動を行うべく、7台のスペシャルモデルがZPプロジェクトの元に開発された。そしてこのZPプロジェクトのマシンに乗ってEタイプに最初の優勝をもたらしたのが、F1ドライバーのグラハム・ヒルであった。 そんな伝説的なZPプロジェクトを名乗るのが、最後のICEスポーツカーである「Fタイプ ZPエディション」である。本物のEタイプZPプロジェクトカーの様にレースを目的としたモデルではないので、エンジンや足回りには手が入っていない。外装はオウルトンブルーと呼ばれる濃紺で、これがEタイプZPプロジェクトでグラハム・ヒルの車両に塗られたカラー。そしてもう一つ、クリスタルグレーというカラーリングに塗られたのは、クリスタルパレスのレースで勝利したロイ・サルバドリが乗ったマシンのカラーリングを再現したものである。 因みにこのZPエディションの生産は限定150台とのこと。このうち日本市場へは12台のクーペが導入される。 お借りしたのはオ

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