「グーEVテストドライブとは」
各社の注目EVモデルをテストドライブ。毎回、実際の使用状況を想定した同じコース「高速道路」「ワインディング(山道)」「一般道」を走り、電費や走行性能をチェックしていく。テストの監修・ドライバーは自動車ジャーナリストの石井昌道氏が担当。
・プロフィール
石井昌道(いしい まさみち)
自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイク・レース等への参戦も豊富。ドライビング・テクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。
00:14 グーEVテストドライブについて
00:19 テスラ・モデルYのプロフィール
02:01 気になる電費は?
03:48 試乗後のレビュー
・レポート記事はこちら
【テスラ・モデルY】電気自動車の実力を実車でテスト!【グーEVテスト】
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EVテスト 再生リスト
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テスラ モデル3/第7回
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・【テスラ・モデルY】電気自動車の実力を実車でテスト!【グーEVテスト】
欧州や中国では、クルマを取り巻く環境や政府の補助金政策なども追い風となり、EV(電気自動車)のセールスが急進。対する日本も、普及はまだまだこれからという状況ながら、補助金の充実や新しいEVの登場&上陸など、EV関連のニュースが次々とメディアをにぎわせている。そうした状況もあり、「そろそろかな」とEVが気になり始めている人も案外多いのでは?
とはいえエンジン車とは異なり、EVの所有はハードルが高いのも事実。航続距離や充電効率、使い勝手などは車種によって大きく異なるため、どんなモデルが自分にとってベターな選択なのか、見分けるのがまだまだ難しい。
本連載は、EVや自動運転車といったクルマの先進技術に造詣が深い自動車ジャーナリスト・石井昌道氏の監修・解説の下、各社の注目モデルを毎回、同様のルートでテスト。実際の使用状況を想定した走行パターンでチェックすることで各モデルの得手不得手を検証し、皆さんの“EV選びの悩み”を解決することを目的とする。
今回フォーカスするのは、EV販売シェア世界一のメーカーへと成長したテスラモーターズの「モデルY」をピックアップ。昨今、自動車業界で革命を起こし続ける黒船の最新モデルは、どんな魅力を備えているのだろう?
・テスラ モデルYのプロフィール
2021年、テスラモーターズは93万6172台の販売台数を記録した。これはテスラにとって創業以来過去最高の数値であり、コロナ禍の影響をもろに受けた2020年に比べて87%アップという飛躍を遂げた。
なかでも人気を集めたのが、テスラ車のラインナップでコンパクトセダンに位置づけられる「モデル3」と、コンパクトなクロスオーバーSUV「モデルY」である。2モデルを合わせた販売台数は91万1208台。これはテスラモーターズが記録した2021年販売台数の実に97%に相当する。
テスラモーターズ初の量産セダンとなった「モデルS」が米国カルフォルニア州のフリーモント工場から初めて出荷されたのは2012年のこと。それから10年あまりで世界一のEVメーカーへと成長したテスラの勢いは恐るべしだ。そしてその勢いはとどまることを知らず、今では北米に4拠点、海外では中国やドイツにファクトリーを構えるなど、世界的に量産体制を整え始めている。
今回フォーカスするモデルYは、そんなテスラの最新モデルである。2019年春に本国で発表されたコンパクトクロスオーバーSUVで、EV人気が高まる北米カリフォルニア州では、2022年第1四半期の車名別ランキングで販売台数1位をマーク。世界的な人気もあって日本上陸は予定より少々遅れ、日本第1号車は2022年9月8日に納車となった。
75%ほどのコンポーネンツを共有するということもあり、モデルYのエクステリアデザインはモデル3に通じるものがある。しかし、クーペSUVを思わせるシルエットなどにより、全長はモデル3比で57mmプラスの4751mm、全幅は同72mmプラスの1921mm、全高は同181mmプラスの1624mmとなるなど、思いのほかサイズやディテールが異なっている。
一方、イグニッションスイッチやメーターパネルが存在せず、大半の操作を中央の15インチ大型タッチパネルに集約したコックピットの眺めは、モデル3とほぼ共通。もちろん、ソフトウェアのアップデートに対し、大型タッチパネルを介して随時更新できるテスラならではの美点も継承する。ちなみに本革シートには、ヴィーガンレザーを100%使用するなど、環境への配慮も行き届いている。
また、モデルYはクロスオーバーSUVということで使い勝手も追求。気になる荷室容量は通常状態で854リッター、後席の背もたれを倒した状態で2041リッター、さらにボンネット下のフロントトランクに117リッターを確保する。
もちろんイマドキのクルマだけあって、モデルYは安全性も優秀だ。モデル3と同様、高強度スチールとアルミを効果的に使用することで高剛性を実現し、また構造自体も工夫。それによりユーロNCAPで5スターを獲得するなど、優れた安全性評価を獲得している。
そんなモデルYの日本仕様は、現時点では2グレードをラインナップ。ロングレンジのバッテリーを搭載し、595kmの航続距離(WLTC、以下同)と最高速度250km/h、0-100km/h加速3.7秒という駿足の持ち主であるデュアルモーターAWD仕様の「パフォーマンス」と、スタンダードレンジのバッテリーを搭載し、507kmの航続距離と最高速度217km/h、0-100km/h加速6.9秒という十分な性能を獲得した「RWD」が用意される。
またモデルYはモデル3と同様、すべてのモデルに4年間または8万km(いずれか早い方)、バッテリーやドライブユニットに8年間または16万km(いずれか早い方)の保証が設けられるなど、EVに対する安心感をしっかりケアしている点も見逃せない。
■グレード構成&価格
<デュアルモーターAWD仕様>
・「パフォーマンス」(833万3000円)
<シングルモーターRWD仕様>
・「RWD」(643万8000円)
■電費データ
<パフォーマンス>
◎交流電力量消費率
・WLTCモード:150Wh/km
>>>市街地モード:147Wh/km
>>>郊外モード:139Wh/km
>>>高速道路モード:153Wh/km
◎一充電走行距離
・WLTPモード:595km
<RWD>
◎交流電力量消費率
・WLTCモード:140Wh/km
>>>市街地モード:130Wh/km
>>>郊外モード:130Wh/km
>>>高速道路モード:144Wh/km
◎一充電走行距離
・WLTPモード:507km
・【高速道路】モデル3に対して10%ほど悪化するが、他ブランドと比べると優秀なデータ
日本で販売されているモデルYはいまのところスタンダードなRWD(後輪駆動)とパフォーマンスと呼ばれるAWD(4輪駆動)の2種類。今回はRWDとなったが、セダンのモデル3のEVテストもRWDだったので比較対象として都合が良かった。
電費は制限速度100km/h区間となるその1が6.5km/kWh、その4が7.4km/kWh、制限速度70km/h制限となるその2が7.2km/kWh、その3が8.1km/kWhだった。
2021年7月にテストしたモデル3はその1が7.9km/kWh、その4が6.1km/kWh、その2が9.3km/kWh、7.6km/kWh。
東名高速のこの区間は早朝でも交通量が多く、ペースが安定しないのでデータもばらつくが、100km/h区間の合計ではモデルYがほんのわずかに悪かっただけでほぼ誤差のレベル。70km/h区間ではモデル3に対してモデルYが10%ほど悪くでたが、その2で差が大きく出ている。モデル3のときはスムーズに制限速度付近で巡航できたが、モデルYでは工事区間が長く速度変動が大きくて電費が悪化した。それらを考慮すると、概ねモデルYの高速道路での電費はモデル3に対して10%弱落ちるといったところ。車両重量が170kg重く、前面投影面積が大きいことを考えれば妥当なところだろう。他のEVとの比較では、車両重量等を勘案すれば、秀逸な実電費と言える。
・【ワインディング】コースが異なるため参考値ながら妥当性のあるデータとなった
今回はいつもEVテストで走行している箱根ターンパイクが貸し切りで走れず。苦肉の策で並行している箱根新道を走った。登りのスタート地点からゴール地点までの距離はどちらも約13kmでかわらず、標高差は箱根ターンパイクが963mなのに対して箱根新道は762m。また、中・高速コーナー主体で交通量が少ない箱根ターンパイク、低速コーナーも多く交通量が多い箱根新道と。走行環境もだいぶ違う。
それでも今回は……
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