6月16日に発売された「eKクロス EV」に乗った
i-MiEVに続く軽自動車EV
三菱自動車の「eK クロス」にBEV(バッテリ電気自動車)の「eK クロス EV」が加わった。平たく言ってしまえば日産自動車「サクラ」の三菱自動車版であり、スキンチェンジというのが正直なところだ。だが、決してコチラが分家的な扱いではない。そもそも軽自動車EVを日本で初めてリリースしたのは三菱自動車の「i-MiEV(アイ・ミーブ)」なのだから。
ちょっと昔話になるが、i-MiEVの価格はバッテリが大きいモデルだと約430万円で一充電走行距離は10・15モードで160km。対してこの度登場したeK クロス EVは価格がその半分ちょっとからで、WLTCモードで一充電走行距離が180km。随分と進化したものである。駆動方式はRRからFFとなり、より使いやすくなったところもまた大幅な進化。以前は低ミュー路を考えて積極的に回生を入れられなかったというが、今回はキッチリと回生を取ることも可能。ガソリンモデルと比較しても、使い勝手で我慢を強いられるようなところはない。
eK クロスの派生モデルということもあり、エクステリアはこれといった変化がない。区別できるのは左側にあったはずの給油口がなくなり、代わりに右側に充電口が設けられたこと。そしてフロントグリルの印象を若干変えたくらいだ。事実上の兄弟車といっていいサクラは、新規でデザインできたことに加えて防音材をドアに多めに入れられたというが、eK クロス EVはガソリンモデルとそこは変わらないという。そこが吉と出るか凶と出るか?

試乗車は上級グレードの「P」(293万2600円)。令和3年度補正予算「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」および令和4年度「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」の対象となり、55万円の補助金を受けた場合の実質的な購入額は238万2600円から。さらに自治体による支援制度もあるので、一覧が掲載されている次世代自動車振興センターの公式サイトなどを確認いただきたい

eK クロス EVのボディサイズは3395×1475×1655mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2495mmで、ガソリン仕様(2WD/G、Tグレード)から15mm高くなるものの、ほぼ同寸に仕上げた。このボディに新開発のEVシステムを搭載し、レイアウトの最適化によってガソリンエンジンモデルと同様の室内空間を確保している。駆動用モーターは日産自動車「ノート e-POWER 4WD」のリア用などで使われる